はつ恋。

知里さんに曲がり角まで見送ってもらい、私は帰宅した。


「ただいま」

「もう10時過ぎてる。こんな時間まで何してたんだ?」

「9時までは部活の歓迎会で、その後電車に乗って帰ってきたら知里さんにばったり会って話し込んじゃったんだ。ごめんなさい」


平謝り。

だけど、知里さんの名前を出しておけば動揺してそれどころじゃないって知里さんに言われたから、その通りにしたけど、効果あったかな?


「そ、そうか。知里と一緒だったなら、まぁいいだろ。早く風呂入って寝ろ」

「はぁい」


よし!

うまく切り抜けられた。

これで大丈夫。

知里さん、ありがとうございます。

感謝をしながら、洗面所に向かう。