はつ恋。

だが、しかし。

ここからがさらに難関。


「えっと...こっから20分くらい歩くんだですけど...」

「そっか。じゃあ、行こう」


有馬くんはそう言って私の右手に自分の手のひらを重ねて来た。


「えっ...」

「こうしてた方が安全だ」

「ま、まぁ、そうですけど...」

「なんてのは、半分ほんとで半分嘘。繋ぎたかったから繋いだだけ」

「ほへぇ?」


変な声が漏れた。

有馬くんといると本当に変な気分になる。

このままおかしくなってしまいそう。

ふぅ~っ。

バレないように心の中で1度深呼吸をした。


「なぁ、日奈子」

「な、何でしょう?」

「敬語、止めろよ。同級生なんだからさ、もっと自然に話せよ」

「いや、でもなんというか...その...緊張しちゃって...」

「緊張?」


私はこくりと頷く。

私に視線が注がれているのが分かって胸のバクバクが鳴り止まない。

お願いです。

静かにして!


「そっか、緊張するか...」


明らかに声のトーンが落ちた有馬くん。

落ち込ませるつもりで言ったんじゃないのに...。


「き、緊張っていっても、その...今までこういう経験がなくて...そのぉ、戸惑ってるというか......なんというか......。でも、ぜんっぜん、悪いことじゃなくて、むしろ良い緊張感というか...」