はつ恋。

「オレは、有馬灯環(ありまとわ)。花室日奈子のカレシだ。汚い手で触んじゃねえ!」

「ちょっと、有馬くん!目黒先輩に失礼だよ。謝って」


私がそう言うと、彼は私を引き寄せ、肩を抱いた。


「ちょ、ちょっと...」

「オレはなんも間違えてねえから、謝るつもりはない。つーことで、オレは日奈子つれて帰るんで、先輩はお1人で計画を練って下さい。んじゃ」


私は一瞬で彼に右腕を盗まれた。

左利きの彼にはこれが1番良いらしい。

この前、そう言われたんだ。

そして、もう1つ。





――この手で、日奈子を守らせてほしい。