―――ドンッ!


「いたっ」

「目黒先輩、大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。じゃ、行こっか」

「行かせねーよ!」


私はその声に反応して思わず顔を上げた。


「誰だ、君は?」


街灯に照らされ、天使の輪っかが出来た、サラサラの赤髪。

手を伸ばして触れてしまいたくなるほどに美しい。

この一瞬さえ、永遠にしたい。

カメラに収めたい。

そんな風に思わせてくれるのは、

きっと、

彼しかいない。