「日奈子ちゃん、新聞の記事のことで打ち合わせあるんだけど、あとちょっとだけ時間いいかな?」

「あっ、はい」

「あそこのカフェで少し話そう。その後、ちゃんと送ってくから、大丈夫。心配しないで」

「はい。じゃあ、行きましょう」


改札に背を向け、今度こそと足を出した、その時だった。