音は近付いたり、離れたりしながらも追ってきている。

ぞくぞくよりも追いつかれるのではないかというドキドキに侵食されていく。

だんだん足が疲れてきて恐怖が追い討ちをかけ、スピードが落ちる。


このままじゃ追い付かれる......。


「あっ...」


鼻緒と心の糸がぷつりと切れたとき、私は前に倒れていった。

もうダメだ。

目を瞑る。

でも......