私は猛ダッシュで窓に飛び付き、一応靴を脱いで保健室に侵入した。


バッグは......

確かこの辺りに置いた気が......


「あった!」


ちゃんと机の端に置いてあった。

音がしないよう、細心の注意を払い、バッグを取った。

振り返り、走り出す......。


―――キャシャッ......。


えっ?

か、か、カーテン?!

カーテン、今閉まったよね?

ど、どど、どどど、どういうこと?!

ポルターガイスト現象ってやつ?!


と、驚いていたんだけど、

そんなわけはなくて、

足音が目の前に迫ってきた。

近付く度に香る、どこか懐かしい香り。

その香りに酔ってしまったのか、一瞬ふわっと舞い上がったような気がした。


―――タッタッタッタッ......タン。


私は目を瞑った。


「みーつけた」

「えっ?」


私は目を開け、顔を上げた。

すると、そこにいたのは......