はつ恋。

1日を耐え抜き、部室に行くと、生憎先輩方は来月から始まる模試に向けて特別講習があるようで、来ていなかった。

幽霊部員の木島くんもいない。

つまり、1人。

1人で勝手に原稿を書くわけにもいかないし、今日は帰ろう。

踵を返し、ドアに手をかけた、その時だった。


「三宅先生っ!」


―――ゴンッ!


私は急に開いた扉におでこを思い切りぶつけた。


「あいたたた......」

「やっば!マジごめん!ど、ど、ど、ど...どうしよ...どうしよ...」


すらりと背の高い茶髪の女子がこちらを見てくる。


「だ、だだっ、大丈夫です。大したことないので...」


それよりもこのド派手メイクと気崩し過ぎて色々と見えちゃいそうな制服を着たギャル(?)さんが目の前にいられる方が怖くてどうにかなっちゃいそうなのですが...。


「そうだ!保健室行こう!よっちゃん、めっちゃ腕いいからきっとすぐに見抜いてくれるよ!よし、行こっ!」