はつ恋。

―――カシャッ。


私は彼を起こさないようにそっと立ち去る。

それはいつものこと。

私は差し足忍び足で彼から数メートル距離を取って出入口に向かった。


ふぅ...

気付かれなくて良かったぁ...。

じゃあ、後は別の場所で撮ろうっと。


と、思いつつも、

名残惜しく、後ろを見てしまう。

彼は目が覚めたみたいで、ぐーっと背伸びをしている。

密かにシャッターを切り、

急いでその場を離れ、

人気のないところまで来て確認した。

サラサラの茜色の髪、

美しい顎のライン、

高い鼻筋、

キレイな口元、

切れ長の目元......。

この世の人間とは思えないほど、整っていて芸術的。

そして......

私の初恋の人に......

似てる...

気が、

する。