はつ恋。

目黒先輩は優しいから私を許してくれるけど、大抵の人は私に厳しい。

実験中にプレパラートが割れたら私のせいにされ、

体育の片付けは1番トロいからと私がやらされる。

掃除の用具片付けも用具入れに1番近い席だからと私に押しつられた。

実際は全部違うんだけれど、私はこれ以上の不和を恐れて何も言わない。

それを皆自分の都合の良いように使っているだけなんだ。


「日奈子ちゃん?」

「あっ...すみません。ちょっとぼーっとしてて。私、中庭に行ってきますね」

「うん、わかった。じゃあ、30分後、ここにまた集合で」

「はい」