はつ恋。

「あのぉ、お願いします...」

「あっ、大丈夫です!あたしたち、吹部入るんで」


と断られたり、


「お願いします」

「俺らもう決まってるんで」

「先輩、頑張ってくださいっ!」


と、いかにも野球部な丸刈り少年たちに励まされたりした。

結局私は部員を1人も集められずに終わった。


先輩になんて言おう......。

とりあえず謝るか......。


私はガックリと肩を落としながら、階段をゆっくりゆっくり降りた。

実によく出来た亀の歩み。

校内を走り回っているバスケ部に何度も追い抜かれ、たまに先頭を走る男子部員から舌打ちをされた。