はつ恋。

あまりにも人が通らないため、私は移動して踊場にやって来た。

ついこの間まで利用していたのに、学年が上がって3階から2階に降りて来てしまったから全然通らなくなってしまった。

でも、それが少し嬉しい。

この踊場の先の教室が私にとっては地獄だったから。


「新聞部です。よろしくお願いします」


ペコペコと頭を下げている私の横を真新しい制服を着た1年生が次々に通り過ぎていく。

まだ幼い顔の人もいれば、

私より何倍もおしゃれして

ハデなメイクをして大人っぽい人もいる。

男子の中には私より背が低い人もいて

おどけてみせるのに、

その眩しさの中に影を潜めている。