「尋斗くんは?」

微笑みながら、私は剛くんに話しかけた。


「りんちゃん。こっちおいで」


そう言って、私を手招きした。


うん、と、頷いて

剛くんの横に行った。


剛くんは、


いきなり私の手を握って。


私を見た。


窓から差し込む光が

剛くんを照らして、

剛くんの顔が眩しくてちゃんと見えない。


眼を細めながら彼を見た。


尋斗くんが、目覚めたんだもん!

私も、嬉しくて
、剛くんの手を強く握り返した。


「ありがとう」


…?ッエ?

その声は…いつも、聞く
剛くんの声じゃ?ない??


その瞬間、光がスーツと引いていき?


剛くんの顔がちゃんと見えた。


…あっ。

剛くんの
眼から一雫の涙がスーッと流れていた。



剛くんは、ゆっくり、目蓋を閉じて


優しく微笑みながら、


「ありがとう」


と、静かに優しくつぶやいた。