この間、黛さんにいっぱい服を着せられた。

ゴスロリ、セーラー、着ぐるみ、スク水…。

いつもは私、ワンピース。

黛さんに、たまにはオシャレしなさいって言われてる。

「……」

無造作に放置された、黛さんの着せ替えコレクション。

その中の、着ぐるみを手に取る。

ネコミミのついた、着ぐるみ。

「……」

デザイン的には、可愛いと思う。

「……」

辺りを見回して、こっそり着替える。

「……」

姿見に映して、じっと見る見る、私の姿。

「……」

猫。

猫の姿の、私。

「に…にゃあ」

一人で、鳴き真似してみる。

「に…にゃあ…にゃんにゃん」

ね、猫だもの。

私、猫だもの。

鳴いても変じゃないよね。

ポーズなんか付けたりして。

「にゃあ。にゃんにゃん。にゃんにゃんにゃん♪」

あ…ちょっと楽しくなってきたかも。

「にゃん♪にゃん♪にゃんにゃんにゃん♪にゃおー…」

がちゃ。

突然ドアが開き、哲平さんと目が合う。

「…………何やってるんだ、お前…」

「…………(大汗)」











こういう時、目撃者は消せって、機関では教わったなぁ…。