月下の一群

まさか明日 生きてみたいと
思うとは 私にも 意外だった
遠い星が 最後の炎を散らして
空に ほうき星が落ちた
あずかり知らぬ 過去の他人は
狂い裂かれるように流れていく
流星群だと このとき知った

地球が傾くときは
明るすぎる夜にも
突き刺すような光のなかで
命が踊る 祝福のように

時代が終わり世界がどこへ向かうのか
当たり前にできたこと
二度と戻らないこと
素晴らしき日々だと 振り返るときに言えること
いずれ新種の芽が出て
花冠を作るようになるころ
また懐かしい匂いを連れてきて


今日が世界最後の日でも私は
生まれて幸せだと言える