一時間目の終了チャイムで目を覚ますと、目の前や横に人が座っていた。

転校生に質問は王道ではあるが、私は質問に答えない非王道なのだ。

だから私はあくびをしながら教室を出ていく。

廊下を目的もなく歩いているが何となく視線を感じる。悪意などではなく興味津々的な視線を。

転校生だからだろう。

ぼーっと歩いていたら、また

「どこだ?ここ」

楽しい校内探検を再開してしまった。

とりあえず右側にあった扉に手をかけると簡単に開いた。しかし中から

「キャッ///」

なんて声が聞こえて視線を向けると男女が机の上でイチャコラさっさと抱きあってた。

とりあえず

「おつかれさまでーす」

一言声をかけてUターンしました。青春だな〜なんて明後日の方向に呟いてたわ。

さて探検をまたまた始めようとすると階段に差し掛かり、とりあえずサボりスポットを見といてあげよう、なんて上から目線で登って行った。

流石に屋上行きの扉の鍵はかかっていた。が、しかしそんなので諦める主人公ではなかった。

スカートの裾に手を突っ込み取り出したのは何やら怪しい細い工具。

ドアの鍵穴に入れてカチャカチャっとやれば、あっという間にピッキングの完成!

本当にそんなことが出来るかって?小説だからこその複雑なところはナシなんだよ。

扉を開けて屋上に出ると、太陽は暖かく風は涼しいという快適な場所だった。

ここで寝てみたいと思って見回すと、入って来た扉の上に貯水タンクが有り、手前に良さそうなスペースがあった。

扉横のハシゴを登り早速横になると睡魔がやって来て身を委ねた。