スイッチを押せば、一瞬にして巨大な都市すらも瓦礫の山に変えてしまう。そんな恐ろしい装置をこの国は武器として戦場で使い、多くの国を破壊し、侵略し、自身の国だけを豊かにしていった。

多くの国はこの国に抵抗するのをやめ、この国にこれ以上国民を殺されないように従い続けている。こんなもの、平和じゃない!!

武力でねじ伏せて手に入れられた平和に、多くの国民が最初は非難の声を政府にあげた。すると政府は片っ端から国民を捕らえ、この装置で処刑した。

「こんなはずじゃなかったのに……」

私はため息をつき、装置を起動させていく。装置はパクリと蓋が開き、大きな空洞が現れた。ここからいつも全てを破壊する青白い光を放出させる。

私はゆっくりとはしごを登っていく。この装置を自身の手で止めるために。そして、死んで償うために。

私のせいでどれだけの人が死んだんだろう?計り知れない罪の重さのせいで、夜に眠ることができなくなった。真夜中に何度も息がつっかえて、上手に息が吸えなくなった。