とても迷った。でも、政府に任せた方がいいんじゃないかと思って、私はアイスバーグさんの手を取ったんだ。
「この研究で、どうか世界を平和にしてください」
「ええ、もちろんです」
アイスバーグさんに微笑まれ、同僚たちは拍手を送ってくれた。そして、その日の夜のニュースでは私のことが取り上げられて、私は世界平和の先駆者とまで言われた。
この時は、世界が平和になると本気で信じていた。
あれから数年、この国の街は眠らない街とまで呼ばれるほど賑やかになった。今日もきっと若者たちが数年前の戦争を忘れてクラブなどを楽しんでいるんだろう。
私は山の中を歩き、「あった……」と呟く。目の前には巨大な装置が置かれている。青白い光を放ち、微かに音を立てていた。
これが私がずっと研究していた装置。アイスバーグさんに引き渡し、装置は山の中にこうして置かれた。でも、これは私の望んだ装置じゃない。
Water lilyと名付けられたこの装置は、平和に導くためのものではなく、全てを破壊するものとして作り変えられてしまったから……。
「この研究で、どうか世界を平和にしてください」
「ええ、もちろんです」
アイスバーグさんに微笑まれ、同僚たちは拍手を送ってくれた。そして、その日の夜のニュースでは私のことが取り上げられて、私は世界平和の先駆者とまで言われた。
この時は、世界が平和になると本気で信じていた。
あれから数年、この国の街は眠らない街とまで呼ばれるほど賑やかになった。今日もきっと若者たちが数年前の戦争を忘れてクラブなどを楽しんでいるんだろう。
私は山の中を歩き、「あった……」と呟く。目の前には巨大な装置が置かれている。青白い光を放ち、微かに音を立てていた。
これが私がずっと研究していた装置。アイスバーグさんに引き渡し、装置は山の中にこうして置かれた。でも、これは私の望んだ装置じゃない。
Water lilyと名付けられたこの装置は、平和に導くためのものではなく、全てを破壊するものとして作り変えられてしまったから……。


