「ちょっと、聞いてるの?」


と。

あ...リレーに夢中で聞いてなかった...

そんな私の様子にその子は更に眉を吊り上げて


「絶対、負けないから」


そう言って、肩にかかったタスキを握り締める


「...私も、負けません」


そう、彼女に聞こえるように言うと、反抗してくると思わなかったのか、一瞬驚いたように目を丸くしたが、直ぐに睨みつけてきた



『只今1位、黄団!2位、赤団です!』


そんな放送委員のアナウンスが聞こえ、遂に7走者目にバトンが渡った

アンカーの人達は皆バトンを受け取る場所へ行く


大丈夫、大丈夫...