『妃、まだ走りたいか?』



そう言ったのは、ベンチから立ち上がって私の前にしゃがみ込んだ海世くんで。

走る...走りたい


私、走りたい


でも...


「妃の、本当の気持ちを聞かせてくれ」


返事に渋っていると、海世くんはそう言った

そして、私は口を開き






「走りたい」



そう、言ったんだ