10月の上旬。


私たちの学校は、文化祭シーズンに突入した。



「成美ちゃん、これって」


「あ、じゃあ、ここ置いていてくれる?」


「望、これどうすればいい?」


「元あった場所に返してきて」


学級委員の私と望は大忙し。


でも、1週間後に迫った文化祭準備は、順調だった。


「なる、お疲れ」


「ゆう!」


さっき置いておいてもらったダンボールを返しに廊下を歩いていると、ゆうが声をかけてくれた。


「お疲れ様、時間ある?」


「ん。今んとこは」


「じゃあ、一緒に返しに行こ!」