あと、二駅。


それだけ我慢すれば、解放される。


必死に耐えるけど、やっぱり気持ち悪い。


「っ……」


ゆう、そう言おうとしても恐怖で声が出ない。


「……っ」


キュッと太ももの付け根の方をつままれて、たまらずにゆうの服の袖を握る。


「おい」


それに気づいたゆうが、今までに聞いたことのないような声を発した。


それでも、その人はやめない。


「やめろよ」


その人の手首を掴み上げてゆうは、睨んだ。


今までで、1番怖いゆうだった。


それと同時に電車のドアが開く。