「俺、出てるから早く着替えて」


そう言って、ゆうは部屋から出て行った。


乾燥機にかけたあとの温かさが私を包む。


「いいよ?ゆう」


廊下にいたゆうに言うと、服を返した。


「もう少し居る?」


「ううん。申し訳ないし、帰るね」


そう言って、カバンを持つとゆうが言った。


「送ってくよ。結構暗いし」


「大丈夫だよ。部活の後とかこれくらいだし」


これ以上、迷惑かけられない。


「ここからの道、わかるの?」


「……」


帰り道のこと、忘れてた。


「ほら、行こ」