そう言って差し出された手を迷わず掴むと2人で歩いた。


見えたのは、大きなクリスマスツリー。


入ったときに少し見たやつだった。


『今日、点灯するらしいよ』


入り口で聞いた由依の言葉を思い出す。


「これ、見にきた」


「そうなの?」


ゆうを見上げると恥ずかしそうに目をそらされた。


「言われたんだよ。なるが今日誕生日だから最高の日にしてあげてって」


由依……。


「だから、誕生日プレゼント」


そう言って渡されたのは、明らかにここじゃない別の場所で買ったもの。


用意、してくれてたんだ。