「あっちにペンギンいるよ」


「え、ほんとだ!ゆう行こ!」


ゆうの手を握って、ペンギンの近くまで寄ってみる。


かわいい。


あの寸胴でよちよちしてる感じ、すっごいかわいい。


数分ペンギンを堪能すると、ゆうが手を引いて望と由依のところへ戻った。


それから、私たちは大きい水槽の前で人の波に流されながら歩いた。


ゆうの手を離すことなく歩いた。


でも、やっぱり手を離すときはやってくる。


「あ、悠馬くん!」


そんな声が、聞こえてきて私とゆうは振り返った。


「羅崎さん」


ゆうの困った声に私は握っていた手を離した。