「じゃあね、悠馬くん」

そう言った乃亜さんは、図書館から出ていった。


「……謝りたいこと、あるんだ」


こっちを向いたゆうが発した言葉は、多分私が待ち望んだ言葉。


「全部、勝手に勘違いしてごめん。望に言われてやっとLINE見た。もっと、早く見ればよかった」


申し訳なさそうに話すゆうがこっちに近づいてくるのがわかる。


「今更って、思うかもしれないけど、この半月間、ごめん。なる」


『なる』


その言葉を聞いて、また涙が溢れてきた。


「これからは、ちゃんと話聞く。ほんと、ごめんな」


人にこんなに謝られるのは、初めて。


こんなに、許したいと思うのも初めてなんだ。


好きになった弱み。