「ッ……?!」

天国の天井はどうやらクリーム色らしい。そして眩い程の光りを放つ豪華なシャンデリア。…というか、天国に天井やシャンデリアがあるのがびっくりだけど。

イメージしていたのはもっと真っ白の世界。空は青くって、雲の上に立っていて、可愛らしい天使が迎えに来る。最も私が天国に行けるかはいささか疑問ではあったけれど。

けれど次に私の瞳に飛び込んできた物は、もっと衝撃的だった。

「起きたみたいだぞ?」

「誰…?」

私より少し年上だろうか?ふわりとした茶色の緩いパーマをあてたちょっとだけ長めの髪。

目が程よく大きく二重のラインも美しく涙袋がぷっくりと印象的だ。けれども眉がキリっと上がっていて輪郭がとてもシャープであり、どこか中性的で綺麗な男性だった。

無表情でこちらをジッと覗き込む瞳。 色素が薄いのは直ぐに分かったが、その瞳は不思議な色をしていた。

一見茶色みがかって見えるのだが、光りの加減によりグリーンにも見える。 日本人でこんな美しい瞳を持っている人を見るのは初めてだった。

「お前死ぬ気か?11月の海で何をふらふらしてんだ」

「ここは…?」