三人の話を聞いている限り、悠人さんは都内にマンションを借りているらしい。
朔夜さんも都内にマンションがあって、けれど仕事の関係でこのお屋敷に寝泊まりする事も多いらしい。
智樹さんに至ってはほぼこのお屋敷で暮らしているそうだ。
不思議な光景だった。
昨日までは見ず知らずだった他人とこうやって食卓を囲むという事。
家族だとは到底思えはしない。戸籍上はどうなるのだろう。私の祖父の息子という事は、私にとっては叔父になるのだろうか。
複雑すぎる家庭事情に、タイプの違う美しい三兄弟。 そして助けられた私はこれからどんな人生を歩んで行けばいいのだろう。
「それにしてもまりあさぁー…馬鹿な男に引っかかったもんだよ」
突然悠人さんが言い出した。 これだけのお金持ちだ。どうにかして私の素性を調べ尽くし、捜したに違いはない。
どうしようもない自分の人生を、見ず知らずの他人に覗き見されていた。気分が悪い、というよりかは恥ずかしくなる。
「悠人、やめろ。」
「だって智樹さん、まりあがこの間まで一緒に暮らしてた男つーのが犯罪紛いの事に手を出しててさぁ」
「やめろって。」
智樹さんが視線を下に落としたまま静かに言う。 唇を尖らせた悠人さんは拗ねた振りをして「はぁい」と気のない返事をした。



