にこりと微笑んだのは悠人さんだった。 確かに私は人より痩せている。 小学校の頃から身体測定ではよく指摘された。
お金に困っていた頃はろくにご飯を食べる事が出来なくて、お腹が空いている事には慣れ切っていたので余り苦にはなってなかった。
口に運ぶサラダもお肉もパンもとても美味しく感じたのに、驚いた。 きっと自分が思っていた以上にお腹が空いていたのかもしれない。
智樹さんと悠人さんは私に気を遣い、色々な話を振ってくれたが、朔夜さんだけは無表情のまま淡々と食事を進めていた。
「それでさぁ、まりあはどうするの?智樹さん」
悠人さんは智樹さんの事を’さん’付けで呼んだ。
三兄弟とはいえ、元々血の繋がりはないとの事。どこか他人行儀には見えたが、そういうものなのかもしれない。
智樹さんは三人の中で一番年上の28歳だという。
「取り合えずまりあにはここに住んでもらう事にするよ」
「そうなんだぁ。俺も暫くここで暮らそうかな」
「でもお前どうするの、大学。ここからは遠いから通いずらいって言ってマンション借りて貰っているんだろう?」
「それは運転手さんに送ってもらおっかなぁー。朔夜はどうするの?」
「俺は別に…今まで通り…」



