「まりあ?どうした?」
「ううん。何でもない。 行こう!」
あの日、囚われた水槽の中に居た。
どこまでも続いていく青、それはいつしか絶望の色に染まって行く。
ここでしか息が出来ない筈なのに、どうしても苦しくて
藻掻けば藻掻く程沈められていく体。 水草に取られてしまう足元。 助けて、と言う言葉は誰にも響かない。
どこまでもひとりぼっちの世界。
ごちゃ混ぜになった水槽の中、手を差し伸べてくれたのはあなた。
深く沈む海の底。
ただ死を待つのみだった私に
救いのくちづけをくれたのも、あなただった。
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