私を抱きしめる熱い体。 グリーンがかった不思議な瞳の色。 どんな時だって優しく見つめてくれた。 少しだけ癖のある笑い方。
しゃがれた声で何度だって私の名を呼んでくれる。
両頬を優しく掴み、少しだけ身を屈めて何度も確かめるように私の顔を見つめる。
どうしてそんな優しい表情が出来るのか、ずっと疑問だった。 でも何となくその疑問の答えが分かったような気がする。
私を見つめる瞳が僅かに赤く滲んでいる。 私もきっと朔夜さんと同じ顔をして、彼を見つめている気がする。
「おい、肌がガサガサなんだが…」
「えぇー…久しぶりに会ったのにそこを指摘する?」
「髪もパッサパサだし、唇も乾いてる。 前から言ってるだろ?こういうのは若いうちにケアしておかなくちゃいけない。
あっという間にババアになるぞ」
「ひ、ひど…」
「てゆーか、よくよく見るとお前…なんつー恰好してんだ?」
久しぶりの再会だと言うのに、バッと私の体を引き離しさっそくファッションチェックが入る。
「おいおい、その服装にその靴はねぇだろ…。
なんつーセンスしてやがる…」



