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あの日、人生を終わらせる事を決めた。 どうしようもない絶望の中、冷たい海で一人ぼっち震えていた。
リセットボタンがあるとしても、リスタートは切らない。 ’愛されたい’どうしても叶わない願いを抱きながら一人ぼっち消える事だけを願っている。
あの日の私が波打ち際に佇んでいる。
それでも、あなたに出会ってからどれだけの絶望に打ちひしがれようとも、死を選び取りたいと思った事はなかった。
’まりあは悪くない’
そう言って包み込こんでくれた日から
私は新しく生まれ変わったのかもしれない。 あの日、あの海で、あなたのくちづけで息を吹き返したのかもしれない。
人はどんな場所からでも、新しいスタートを切れるのかもしれない。
「まりあ…!」
「朔夜さん!」
あの日、私を見つけてくれたから。



