【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~


「まりあ、ありがとう――」

静かな声でゆっくりと智樹さんが言う。

「俺と一緒に居てくれてありがとう。
君と一緒に居ると俺は救われた気持ちになる。
やっぱり俺は君と出会えて良かった。」

「私は何も…」

「抱きしめてもいいか?抱きしめるだけ――」

ベッドから起き上がり、戸惑いながらもそう言った智樹さんにこくんと頷く。

私に触れる智樹さんの指先がちょっぴり震えている。 触れられるのは、あの日以来初めてだった。

智樹さんが優しく優しく私を抱き寄せた。 胸に頬を寄せると、トクントクンと心臓の動く音が心地よく耳に響く。

私を抱き寄せたまま、智樹さんは何かを手の中に握らせる。

「智樹さん…?」

「プレゼント。」

ゆっくりと体を離し、見上げた先には出会った頃と同じ 優しく微笑むあなたの笑顔があった。

「プレゼント…?智樹さんの誕生日なのに変なの」

「まりあが今一番欲しい物を用意した。」