一緒に過ごしてきた時のせいだろうか。
やっぱり私よりもずっと悠人さんの方が彼の弟らしい。
家族を築く時、本当は血の繋がり等さっして問題ではないのかと思う。
そこに想い合う気持ちがある方が重要なのだ。 悠人さんが無理やり生クリームを智樹さんの口につっこむと、智樹さんは苦い顔をしながらも僅かに笑っていた。
少しずつ体調が良くなってきた智樹さんは、横屋敷グループの会社の一員としてまた働きだすという。
祖父の仕事を1番近くで見て来た人だ。 これからの横屋敷グループに必要な人間である事に違いはない。
「まりあもケーキでも食べてゆっくりしろ…。今日はご馳走を作ったから疲れてるんじゃないか?」
「ありがとう、智樹さん。
てか本当に美味しそう~!」
「まりあずっとここのケーキ食べたいって言ってたもんね?
褒めて?ずっと前から予約してた俺を褒めて?」
「すごいすごい、えらい!悠人さん!」
「え~…何か感謝が全然伝わってこないんですけど~…」
私達の様子を見て、智樹さんが眼を細め笑う。
「どっちが弟か妹か分からんな…」
「あー…智樹さんまで俺をー!
大体まりあは歳の割には所帯じみてるんだって…」



