【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~


一緒に過ごしてきた時のせいだろうか。
やっぱり私よりもずっと悠人さんの方が彼の弟らしい。

家族を築く時、本当は血の繋がり等さっして問題ではないのかと思う。

そこに想い合う気持ちがある方が重要なのだ。  悠人さんが無理やり生クリームを智樹さんの口につっこむと、智樹さんは苦い顔をしながらも僅かに笑っていた。


少しずつ体調が良くなってきた智樹さんは、横屋敷グループの会社の一員としてまた働きだすという。

祖父の仕事を1番近くで見て来た人だ。 これからの横屋敷グループに必要な人間である事に違いはない。

「まりあもケーキでも食べてゆっくりしろ…。今日はご馳走を作ったから疲れてるんじゃないか?」

「ありがとう、智樹さん。
てか本当に美味しそう~!」

「まりあずっとここのケーキ食べたいって言ってたもんね?
褒めて?ずっと前から予約してた俺を褒めて?」

「すごいすごい、えらい!悠人さん!」

「え~…何か感謝が全然伝わってこないんですけど~…」

私達の様子を見て、智樹さんが眼を細め笑う。

「どっちが弟か妹か分からんな…」

「あー…智樹さんまで俺をー!
大体まりあは歳の割には所帯じみてるんだって…」