「まりあー、智樹さんー!
ハッピーバースデー!」
そんな中、智樹さんの誕生日を迎えた。
この日は悠人さんも家に帰って来て、智樹さんの為にケーキを用意したと言う。
私も得意ではない料理を坂本さんに手伝ってもらい、形にはなってきたと思う。 まだまだ美味しいとは言いずらいが…
食べれるまでにはなったと思う。 そうやって智樹さんのお世話をするのは、とても穏やかだった。
初めて血の繋がる家族と呼べる人間と、家庭という物を築けてきたかなとは思う。
「悠人、ありがとう」
「智樹さん、これ見てー。新宿にある有名パティシエの1か月待ちの誕生日ケーキなんだぜ?」
「俺は甘い物は食べれないがな…」
「そんなの知ってるよ!でも俺、弟だよ?!」
「…それがどうかしたか?」
「弟が兄の為に誕生日ケーキを用意したんだよーッ?!
ちょっとでもいいから食べなさいなー!」
「じゃあ少しだけ頂こうかな、せっかくだし。 つーか生クリームが苦手だからフルーツだけ貰う」
「それじゃあ意味ないでしょーが!」
「おお、これは新鮮なフルーツだ」
「あたりまえじゃん。有名店はフルーツにまでこだわってるんだから」



