「はぁ?!何言ってんだよ、坂本さん。
それじゃあ……まりあと智樹さんは…」
がらがらと目の前を何かが崩れていく音が頭の中を響いていく。
それと同時にバラバラになっていたピースがぱちりと合わさった様な気がした。
憎んでいると言っていた父親。 自分の母を捨て、他の女と逃げたと言っていた父親。
その後、智樹さんの母親は自殺している。
「まりあ様と智樹様は、腹違いの兄妹です」
坂本さんがハッキリと告げた言葉に、地獄に突き落とされていくようだった――。
「まさか…!そんな訳…じゃあ、あの人がした事は…」
「ちょっと、朔夜落ち着いてよ!坂本さんの話を聞こう」
「大きくなった智樹様は執拗にこの横屋敷家の事。そしていなくなったあゆな様の事を調べてらっしゃいました。
その中で私はこの恐ろしい事実を知る事になります…。
智樹様は、とてもお父様を憎んでいらした。そしてその父を奪ったあゆな様を憎んでいた。
そして、きっと…まりあ様の事も…。
私は、きっと智樹様はまりあ様を見つけ出し、復讐をしようと思ってたんだと思います。
あなたが得るはずだった横屋敷家の全てを手に入れ、あなたを傷つけたかった…。自分と自分の母親が味わった苦痛を、あゆな様の娘であるあなたへと…」



