【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~


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結局その夜も抱きしめ合って眠ったけれど、朔夜さんが私を抱く事はなかった。

躊躇っているようにさえ、感じた。 男の人と一緒の布団に入って、手を出されない経験なんて今までした事なかったから、戸惑ってしまう。

薄暗いカーテンの隙間から僅かな光が入る。 小さな寝息を立てて静かに眠るあなたの、長い睫毛ばかり見つめていた朝。 それは初めての愛に触れた朝だった。


愛されたいとあれだけ望んできたのに、私自身が誰かを愛した日があっただろうか。

望んでばかりで、与えることを怠っていた自分がどこかに居た。 人はそんなものだとどこかで諦めるのが癖になっていた。 けれど…私、もうあなたへの想いだけは譲れない。

愛されたいとばかり願っていた自分が、初めて人を自分から愛したのだから。

「おはよう…」

ゆっくりと瞼を開けると、グリーンがかった瞳が優しく揺れた。 ゆっくりと指の先で私の髪を梳いていく。 その仕草一つ一つが繊細で美しい。

「起きてたの?」

「大分前から。 まりあ、俺の事ずーっと見てただろ?」

「気づいてたくせに寝てる振りしてたの?意地悪ね」

「可愛すぎて意地悪もしたくなるもんだ」