「ゃあ…智樹さ…あぁん…やだ…」
「何が嫌だ…口と体は正反対だな…」
「やだ…ゃ…」
執拗までに私の体に執着し、責め立てられる。
痛みと苦しさの中で、彼の言う通り体は快楽に溺れていた。 頭では嫌がっているのに拒否をしているのに、攻め立てられればそん分きちんと感じてしまうこの体が嫌いだ。
智樹さんは私を見ないように後ろから抱く。互いを見つめ合い愛し合ってする行為とは少し違う。
だからこの行為自体に愛は一切ないのだと思う。
その行為中私は両手を紐で縛られて自由は利かない。だから智樹さんに好きなだけ弄ばれる。
そしてやがて彼は私の体を遊びつくすだけつくして、中に自分の欲求の全てをぶちまける。 その瞬間がとても悲しかった。
「まりあは俺の物だ……」
まだ整わない息を吐いて、必ずそう言う。
さっきまでの荒々しさと違い、行為が終わった後の智樹さんは、後ろから私をゆっくり優しく抱きしめる。
「まりあ……」
「智樹さん…毎日家に帰って来てくれなくても大丈夫です。
私は逃げたりしません……。それに私知ってます。訊いてますから
智樹さん、お付き合いしてる女性がいますよね……。
そういうの隠さなくってもいいんです…」



