「私も悠人さんは自分の弟みたいな感じ。
今まで兄弟はいなかったから、兄弟って感覚は分からなかったけれど、弟が居たらこんな感じなのかなーって」
「ちょっとちょっと、まりあの方が年下のくせに弟ってなんだよッ」
「あはは~…、だって悠人さんって可愛らしいんだもん!
私も…兄弟が出来たみたいで…嬉しかった…悠人さんたちが居て…」
真っ黒の丸い目で、悠人さんは私の顔を覗きこむように身を屈めた。
「まりあにとって朔夜も兄弟みたいって感じなの?」
その質問に、直ぐに’はい’と言えなかった。 俯いて、顔を赤くさせるばかり。 その様子を見て悠人さんは声を上げるように大きく笑った。
「答えられないって事は自分の気持ちを言っているようなもんじゃない~…
これだから不器用同士って困るねぇ」
「そんな…そんな大それた事は考えていません。
ただ一緒に居ると、温かい気持ちになるんです…。
初めは怖かった…。でも厳しい言葉を投げかけるのも朔夜さんの優しさって知ってからは、怖くは無かった…。
すごく、ドキドキした。ただ手で触れられただけなのにどうしようもない程恥ずかしかった。
私、こんな気持ちを人に抱いた事今までなかったの…」



