「むぅー…。それならなおさらじゃんか。
俺まりあには幸せになってもらいたいなぁー…
だってまりあ今までだって散々な人生だったじゃん。 同情するわけじゃないけど、まりあだって自分で選んで幸せになる権利はあるんだよ?
大体まりあは智樹さんと結婚なんてしなくっても、横屋敷の権利を手に入れられる人間なんだから」

朔夜さんに好意を抱いていた事。 智樹さんにはとっくにバレていたのかもしれない。

横屋敷グループの傘下の会社であったとしても、朔夜さんは自分の仕事に誇りを持っている。

私、そんな所も好きだった。だからもしも彼の夢が奪われるような事は、あってはならない。 それに私は智樹さんに抱かれ、無理やり智樹さんの物にさせられた。

朔夜さんには、絶対にバレたくない。

「悠人さんは、優しいね」

「え?まぁーね!俺って超優しいかもッ。
どぉー?まりあも俺に惚れちゃう?智樹さんとの結婚なんて止めて、俺と駆け落ちしちゃう?」

「もう、冗談ばっかり。 そんな事したら沢山居る悠人さんの彼女さんが泣いちゃいますよ?」