「結婚は嫌か?」

聞いた事もないような冷たい口調だった。 私を見下ろす視線も、どこか冷たい。
いつだって優しく接してくれていた筈の智樹さんだったのに…まるで違う人のように見えた。

「別に自分の将来なんて今までどうでもいいと思ってた…。
けれど……」

そう言った瞬間、智樹さんは乱暴に私の手を取り、ベッドへと私を投げ捨てるように押し倒す。
上に馬乗りになって、無理やり唇を奪った。

「ん…んん~ッ!」

あの時のように…朔夜さんのように私を試すような行為ではない。
本気で私を支配しようとしていた。

「いいだろう?別に まりあの人生いつだって誰かに支配されてきた。それを今度は俺が支配するだけ。
いつだって流されて諦めて生きて来ただろう?この館で俺の妻になれば君は何不自由なく暮らせる。」

「やだ…!智樹さん、止めて…!」

真っ白いドレスに手がかかる。力を緩めるつもりは一切なく、智樹さんは片手で私の両手を固定して、ドレスを無理やり脱がしていく。

「いや……」