【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~


「悠人さんの彼女さん達も綺麗だった。 きっと朔夜さんの彼女も綺麗なんだろうな」

この人達に会って、作り笑顔をするのは初めてだった。 そして自然に笑えるようになっていた自分に驚いた。

「別に普通だって。
彼女つっても付き合ってるか付き合ってないか微妙な感じだし。
俺そういうの苦手なんだよ。誰かと契約を結んで関係を築いてるみたいで。
だから悠人はある意味尊敬するけどな。 それよりお前、何つー顔。変な顔。」

煙草の火を消し、こちらへ身を乗り出した朔夜さんは私の頬をぎゅっと引っ張った。

「ッ…!」

「んだよ、別にもう襲いやしねーよー。」

素っ気なく直ぐに手は離された。

智樹さんに手を握られ、キスを落とされた時もドキドキした。

けれどそれとはちょっと違う。明らかに気持ちが動揺していた。 掴まれた先から熱が産まれて、そこからじわじわと広がっていく様な不思議な感覚。

それがやがて自分の体を侵食していくのだろうか。

「何だよ、じろじろ見つめやがって」

「別に…」

「あ、また目逸らした。 お前いつまで経ってもそーゆー所は変わらんな。
きちんと人と話すときは目を見ろ。」