「最後にもう一つだけ、お願いしてもいい?」



「……ああ」



「恋のお守りソングを歌うのに
 ふさわしい男になって欲しいな」



「え?」



「大好きな子を見つけて、幸せになって欲しいってこと」



 なんだよ……それ……



「マトイ君なら、余裕でしょ?」

 


 宝石みたいにキラキラした笑顔が、
 俺だけに向けられていて。


 その笑顔が、すっげー綺麗で。


 1秒でも長く見ていたいと
 俺の欲求が膨れ上がっていく中。



 いきなり瞳を陰らせた蓮見は、
 ドアを開け、楽屋から出て行った。