「マー君が
 この役を断る権利なんて、無いからね」



「なんだよ、それ!」



「はすみんの記憶から、僕もみやちゃんも、
 あやあやも消されちゃったんだよ!
 本当に悔しい。僕、悔しくてたまらない」



 それは、悪かったって。



「確かめてきて」



 何をだよ!



「マー君との大切な思い出を失ったはすみんが、
 本当に幸せなのか。
 マー君の目で、確かめてきて」



 勝手な事ばかり言う春輝に
 俺の怒りをぶつけそうになり、

 俺は、怒りをのどに押し戻した。



 だって春が……

 今にも泣きだしそうな顔で、
 俺を睨みつけているから。



「わかったよ」



 それに、悪かったよ。



 1年前の俺のせいで、
 春の心まで、痛めつけちゃって。