ボーン。
 除夜の鐘が聞こえてきた。



 慌てて時間を確認。


 11時45分。



 
『マトイ…… お願い……
 大晦日の夜…… 一緒にいて……』



 あの日の
 蓮見のお願いを叶えられるまで

 あと、15分しかねぇ。



 除夜の鐘に後押しされるように
 俺は、インターフォンを押した。