「しょうがねぇな」と呟き
 マジックを蓮見から奪い取る。




 まくり上げられた袖から伸びた

 透明感のある蓮見の腕。



 簡単に折れそうなほど細いのに。

 俺たちのチラシが入った重い段ボールとか

 よく抱えられるよな。



 俺たちのために
 毎日酷使されている蓮見の腕に、
 触れたくなってきて。


 惹きつけられるように

 俺は左手で
 蓮見の手首のを握りしめた。



 感じる体温。


 蓮見の熱なのか?


 蓮見への想いが抑えられない
 俺の熱なのか?


 それとも

 二人の熱が混ざり合っているのか?


 そんなこと、分かんねぇけど。



 この温もり。

 ずっと感じていたい。