作り終えた二人分の
 チャーハンを、テーブルに置き。


 俺は、ソファーに座り。

 すっげー分厚い本を開いて。

 これでもかって程小さい魔法文字を
 目で追った。



「国王と王子だけが使える、特殊魔法かぁ。

 こんなの使って
 幸せになれる奴なんているわけ?」




 魔法書に話しかけるって
 どうかしてるよな。


 マジで危険な奴じゃん、俺。



 覚えなきゃいけない魔法は
 山ほどあんのに。

 頭が魔法書の文字を、拒否。



 諦めて、本をばたりと閉じ、
 瞼も一緒に閉じた。