"バレーだけじゃなくどのスポーツも攻めないと点は取れない。
恋愛だって同じ。想いを伝えなきゃ何も取れない"
長谷部先輩が言っていた言葉を思い出すと自然と心が軽くなった。
なぞられる唇をそのままに自分の額を奴のにくっつける。
「…み……」
「…尋人」
聞こえなかった、なんて言わせないと息がかかるくらい至近距離でその名前を呼ぶ。
そして追い打ちをかけるように今度は私から尋人の唇に自分のを重ねた。
恋愛に興味なくて、ましてや異性の名前なんて呼んでいたのはテツさんくらいだったけど。
こうして呼んでみると嬉しそうに尋人が微笑んでくれるから、名前を呼ぶのも悪くないかななんて思う。
頬を優しくなぞられてくすぐったくて顔を少し後ろに引いた。
でも、
「…未来、もう一回」
そう言われればどちらからでもなく顔が近づき唇が重なる。