唇が離れたらまた額がくっついて奴は優しく微笑む。



その表情が不覚にもカッコいいと思ってしまった。
見ていられずに顔をそらす。



「あれ、未来照れてんの?」


「う、うっさいわ…っ!照れてない!」


「なんか澪みたいな言い方だな…あ、忘れてたわ」


「何が?…ってちょっと!」



先に奴が起き上がって手を差しのべてきたから、その手をとって起き上がる。



するとそのまま手を引っ張られて気付けばまた奴の腕の中に収まっていた。



「おーい。終わったぞ~」


「…っ!?」



奴の合図で体育倉庫の扉が勢いよく開いて、そこにいたのは必死の表情をした澪とニヤニヤ笑ったテツさんだった。



「ちょっと離し…っ!」



澪とテツさんに見られるのが恥ずかしくて離れようとしても奴の力が強くて離れない。



というかなんで澪たちがここにいるの?
すぐ呼んだら出てきたってことはもしかして……



嫌な予感しかしないんだけど。