「…俺も最初は未来と同じだった。
恋愛なんてバレーには邪魔だって。
でも今は違う。
未来と出会って、素直じゃねぇけどなんだかんだついてきてくれて意地悪しか言わないかと思えば相手のいいところはちゃんと尊敬する。
そして何より自分の大切な人を全力で守ろうとする未来を俺は好きになってよかったって思うよ」
「……っ」
何これ。
なんで涙が止まらないの?
あぁ、これが幸せって言うことなのかな。
溢れて止まらない涙を優しく拭ってくれる。
私の横を走り去っていったチャンスの神様が立ち止まって振り返った気がした。
さっきは感情が溢れてどさくさに紛れて言ってしまったけど、もしもう一度チャンスをくれるならその前髪を掴ませて。
掴もうと手を伸ばして掴んだそこは奴の背中だった。
「…き……好きだよバカ」
「ふっ…やっと素直になったかと思えば一言余計だ。
もう手加減しねぇから」
3回目のキスはしょっぱい味と幸せの味がした。